行き倒れの者

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「そや、メアド交換しようや!!!」 「え、なんで」 寮に入る前そんな事を言われる。俺、君の弟とすら交換してないけど。 「え、だめ…?」 と仔犬のような顔をするから交換してしまった。 あー、だるい。 「おおきにな!(みっちゃんチョロいなぁ…)」 「はあ」 俺は適当に相討ちを打つ。多分メッセ来ても既読無視するけどね。既読もしないかも。 寮の中に入り寮長に話しかける。 「この人転校生らしいです」 と俺が言うと寮長はこっちを見た。 「あ、湊くん。話しかけてくれるの久しぶりじゃない?」 見るからに嬉しそうに笑う寮長。俺はこの人が苦手だ。 だって1回“抜き合いっこ”とか意味わからないこと言って俺の物を無理矢理触ってきたことがあるからだ。 「まあ、話しかけてませんから」 と俺もにこりと笑う。悪気はないよ、悪意はあるけど。 「酷いなあ、俺は君ともっとお話したいんだけどー……何?」 「何もくそもあらへんやろ、そんな話したいなら俺が話したるで」 俺と寮長の間に入ってくる明里。 言い忘れてたけど寮長の名前は彩野彰人さん。まあ別にそんな重要じゃない。 「君と話しても楽しいとは思えないし、そもそも君には興味ないからなぁ?」  2人がギスギスし出す。面倒くさいから他所でやってよ。 「関係…はあるで」 「「?」」 「俺はみっちゃんの恋人やし」 そう言って急に俺の肩を抱く。 ……おまえ、何話ややこしくしてんの?めっちゃ馬鹿なんじゃない? 「…恋、人?」 寮長の笑顔がかなりドス黒い物になる。 「せや、恋び「いや、違います」」 これ以上行くと寮長に殺されかねない。顔が怖い顔が。 「じゃあセフレ?」 「今日初めて会いましたけど」 明里はちぇーと口に出す。 「まあ今はまだ友達って事でええで。」 「今はじゃなくて友達から昇格はない」 俺はにっこり笑って明里に言い切った。
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