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洗面台の鏡にうつる俺の首と襟の境目に赤い跡が。
…虫にでも刺された?なんだこれ。
ともう一つボタンを開けるとまた赤い跡がある。
「…?」
俺はブラザーとセーターを脱いでネクタイをとる。ボタンを下まで開けてやれば異様なほどに赤い跡がある。し、湿疹?
「!?」
俺は驚いてよくよく考える。な、にこれ。俺病気になる様な事してないよね?……あれ、待って。
「雪…」
「な、…湊、えっち…」
とソファーに座ってスマホを見ていた雪は顔を赤くする。
「えっちとか言ってる場合か!……お、お前性病持ってたりする…?」
「……は?」
雪にこれの原因を聞いた所、湿疹は性病ではなく、キスマークだという事が判明した。
「だ、だとしてもなんでこんな…っ」
「んー…虫除け」
「虫?何言ってんだ」
「じゃあ、湊も、つける?」
俺の手を引っ張り膝の上に乗せてくる。意味がわからない、なんで俺がつけなきゃいけないんだ。
「ちょっ、と」
「ここ…」
と自身の首を指差す雪。
「なんで俺がつけなきゃいけないの」
「……だって、やなんでしょ?だったら、俺もいや、ってこと…」
にこりと笑う雪。確かに、目には目をってやつか。
「そーゆーことならつける」
俺は少し身構えて首に吸い付いた。
「…ん、んくっ」
少しして離れて首を見る…が、しかし。
「つ、いてない...なんで???」
「…弱いん、じゃ…?」
と笑う雪。楽しんでんじゃねーよ。
「弱いの?結構強かったはずだけど…」
俺はもう一度吸い付く。これでどうだろうか。
「ん"っ…」
と雪が声を出す。痛かったのか?それは悪い事をした。
口を雪の首から離すと薄くキスマークがついている。
「付いた!!!どう!?嫌??」
と俺は自信満々に聞いた。
「全然、それより、勃った」
……うん、え?何言ってるのこの子。
「勃っ、嫌じゃなっえ??」
俺は焦り出す。
て言うかよくよく考えればどう考えたって雪がキスマ嫌なわけないじゃないか。だってこの人自分から抱きついて来るし、第一ドMだし。その時の感情に身を任せることはいけない事だと俺は学んだ。
「お、俺夕ご飯っ作ら、ん”…」
雪にキスされた、ディープなやつ。ぞりぞりと上顎を舌で撫でられてゾクゾクする。
「っ…ぶはっ昼もしたんだからもう無理!」
と俺は無理矢理離れる。俺の周り性欲猿しかいない……!!!
「…酷い」
「どっちが」
俺は台所へ行って料理を始めた。どうやら雪も手伝ってくれるようで、お皿洗いをしてくれた。勃ったの、どうしたんだろうか。
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