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明里たちが転校して来たあの日から、俺は何日かの間一応平和に過ごしていた。
今日は受付当番なので図書室へ向かっていた。
「如月さん」
急に後ろから声がして、振り向けばそこには委員長の中で可愛いを担当している男がいた。
「あ、柴さん」
この人は保健委員長の柴夏樹さん。
「おはようございます」
とにこりと笑う柴さん。チョー可愛い笑顔。165cmらしい、風の噂で聞いた。俺は172cmあるんだ。そこの君小さくなくてがっかりしたでしょ?俺は総受けじゃないからね。
人権ある身長だから。
「聞いてくださいよ、最近、2ヶ月くらい?筋肉質な人としたんですけどなんか勃たないんですよ。何でだと思います?」
んなこと俺に聞かれても困るんですけど。てか下ネタ酷いな。
「えぇ?飽きたとかですか?てか最近って言うかそれはもうずっとでは?」
「そうとも言いますけど勃たなくなったんですよ、それでね?まあ案外華奢な男の子とやったんですよ。そのーなんて言うんですか?自分よりは背は高いんですけど」
ガチどうでも良い。この人顔だけは可愛いのにな。
「はあ」
「めっちゃ勃ったんですよ。そこで良く理解しました、僕は」
とこちらを見あげた。……はあ、よかったですね。
「?そのくらいが一番興奮したと?」
「はい、意味わかってます?」
「いや…はい、多分?」
わからないけど大丈夫?
「ま、気長に墜とすしいいか、体からかな…」
なんて?まあ独り言っぽいしいいか。みんなぼそぼそ言い過ぎね。せめて心の中で言って。気になるから。
「てかどこ行くんですか?」
「ん?ああ、少し保健室へ行こうと思ってて」
「ああ…、それじゃ俺は図書室なんで」
と俺は図書室の扉を開けてさよならする。「また、」と意味ありげな笑顔を俺に向けていなくなった。コワイナ、なんか。
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