ワンコヤンキーきゅん

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松坂成実side 「ししょー!!どこっすかああああ!!」 ちらっと枯葉を捲って見てもそこに師匠はいない。 ここにもいない……なんで?? それにしても師匠と過ごしててわかったけど、師匠別に強くなかった。普通の図書委員長だった。むしろ会長とかのが全然強いと思う。 でも俺は普通に師匠と絡んでる。なんでかって?普通にタイプだから。気怠げで毒舌で、来るな来るなっていつも言うけど結局一緒に喋ったりしてくれるし。俺ピアスとかめっちゃ開いてるし、ガラ悪いけど師匠は普通に話してくれる。 それに可愛い!!! この新歓では捕まえた人のうち一人に言うこと聞いてもらえるらしいんだよね。俺師匠に名前呼びしてもらうんだ!!!! 『成実~ほらおいで~』 と手を広げる師匠。抱きつくと笑って頭を撫でられる。 『お前は可愛いな~好きだぞ』 まるで犬みたいに撫でられる。 「うへへへ」 だがしかし所詮は妄想。現実はそう甘くないのだ。俺は首をぶんぶん横に振って頬を両手でたたいた。 「行くぞぉ」 と俺は意気込んで探すのを再開した。体育館の中を隅々まで探す。いない。ちゃんとボールのカゴの下も見たよ。 「????」 絶対ここら辺にいると思ったんだけどなあ……勘だけど。 「体育館上から見れば見つかるかな」 俺は裏に回って体育館の屋根に登る。見晴らしがいい、のだが。 「いた……」 え、ここ?普通に登ってくるの大変じゃなかったの??師匠筋力0だよね? 「ししょー!」 と取り敢えず見つけた高揚感と、この後名前呼びしてもらえる未来に浮かれながら体を揺さぶって寝ている師匠を起こす。 「ん…」 と寝返りをうつ師匠。寝顔が可愛い。 「……?あぁ…松阪か…、仕方ねぇな、お前も一緒に寝るか~」 師匠は眠たそうに俺を見上げて、俺の上に腕を乗せてきて一緒に倒れた。かっかか、顔が、顔が近いっっっ!!!寝惚けてる??いやもしかしたら妄想って言うことも…。俺はぎゅうっと頬をつねった。…現実だ。 もうっもうっ…心臓に悪いってえ……ちょっとくらい、寝てもいいか。 時間まだ1時間以上あるし。 と俺も師匠と一緒に眠りについた。
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