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湊side
ぱっと目を覚ますとと目の前に整った顔面があった。
うん??松坂………うん、え?
「ま、松坂。起きろ」
俺は自分の松坂に巻き付いていた手を離す。
「ん………師匠…、起きたんすね…」
そうすれば目を擦りながら松坂も起き上がった。なんで俺こいつと仲良く寝てんの?
「…、あっ!!師匠!つーかまえたー!!」
ハッとした様に俺の手を取る松坂は子供っぽく笑った。
「あ、うん」
別にそれは良いけどなんで本当に一緒に寝てんの俺ら。
「ほら体育館の中行きましょうっす!!」
手を引かれるがままに俺は松坂に連れられて下に降りた。集合場所は体育館の中。
「あと何分?」
「2分ないと思うっす」
と松坂はニコニコしているが、俺の手を離すことはない。別に逃げないよもう。逃げた所ですぐあんたに捕まっちゃうだろうし。
「師匠捕まえちゃったぁ」
と1人で喜びの余韻に浸っている松坂。本当に嬉しそうだ、俺を捕まえて何が嬉しいんだか。ただのクソ雑魚だろ。
「あれー」「図書委員長~」
と俺に話しかけてきたのは双子の生徒会書記。捕まった人達の記名を担当してるらしい。
「捕まったんだあ」
と片割れ。見分けつかねー、ようちゃんよくこれの見分けつくよね。
「はい、寝てたらいつのまにか」
「たいよーが捕まえるって意気込んでたのにねー」「ねー」
2人は顔を見合わせて笑い合う。
「2人は参加しなかったんですか?」
「参加って言うか~」「受け付けだしねー」
と二人はつまんなそーに言う。参加したかったのだろう、この双子は悪戯好きで有名だから…
「お疲れ様です」
俺が笑ってそう言うと二人は顔を見合わせて笑い
「「お疲れされる~!」」
と声を揃えて言った。可愛いんだよなぁ。
「松坂、俺飲み物買ってくる」
「えっ俺も行く!!っす!」
そう言って歩き出す俺の手を取る。
「いーよ。俺1人で行ってくる。」
「に、逃げないっすよね…?」
と心配そうに見て来る松坂。そんな馬鹿じゃないんですけど。
「逃げねーよ。そもそももう受け付け来たんだから確定でしょ。」
「「そーだよ」」
と書記2人もメモを終えたようでこちらを見て言う。
「…そ、そっすか…?行ってらっしゃい…!」
少し不服そうだが、松坂は笑って手を離した。
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