2240人が本棚に入れています
本棚に追加
「それにしてもだいぶフラフラしていたようだが?」
「ちょっと疲れてるだけ。気にしないでいいよ、ありがと」
めんどくさくなる前に笑ってそこから立ち去ろうとすれば、
「疲れているのなら仮眠室を貸そう」
とはやにいが俺を米俵のように担ぎ上げた。
「え、え!?だっ大丈夫だって!!」
俺は暴れるが俺より確実に力が強いはやにいには敵わない。
「だめだ。昔から湊は倒れるまで頑張るだろ。」
そんなことない、とも言い切れない。本当、こう言う所がモテるんだろうなぁ
俺たちは視線をあびながら風紀室へ向かった。後ろしか見えないから前で何が起きてるかわからない。はやにいが扉を開ける音がした。多分風紀室。
「おー、いんちょぉおかり~この書類さぁ…、なんやぁ?問題起きたんか?誰やその子」
急に聞き覚えのある声がして俺はびっくりする。
この声は明里。バレたらめんどうだ。てか風紀入ったの?こいつ普通に風紀乱してるだろ。
「幼馴染みだ。体調不良そうだったから寝かせる」
「そーなんやぁ、いんちょーの彼ぴ?」
そう言って明里がケラケラ笑う声がする。
お前本当何言ってんの?絞めたい。
「…残念ながら違うな」
「ほーん?」
ぎしっとソファーから立ち上がって近づいてくる靴の音がする。ひょいっと明里がこっちを見てにやぁっと笑う。
「やっぱみっちゃんやぁん」
と明里はによによしている。
「…久しぶり」
「えっ何々!て事はみっちゃんインチョーと幼馴染みなん!?」
「まあ…」
てか、『やっぱ』って言った?良く後ろ姿(尻から足にかけて)だけで気がついたな。もしかして洞察力あったりする?(なぜならいつも見てるからである)
「ってことはインチョーみっちゃんの小さい頃の写真とか...」
「持ってる」
「ちょっとあとで話そうや」
なんて二人のやり取りを横目で見ていたら仮眠室に連れてかれてベッドに下ろされ布団をかけられた。
「あとで起こすから寝てろ。それとも昔みたいに一緒に寝るか?」
と頭を撫でていたずらっぽく言うはやにい。
「っ…寝れる、1人で寝れるからっ」
と言って布団を巻き込んで反対を向けば、笑って部屋から出ていった。
笑ったとこ久々に見たわ~…ねむ。
ぼーっと今日会った事を考えていればいつの間にか俺は眠りについていた。
最初のコメントを投稿しよう!