体育祭が始まるお

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「ちょ、違、勃ってないっ」 腰を引き寄せてくる兄を押し退こうとするがびくともしない。力の差が凄い。 「嘘は駄目だよ湊。」 そう言って俺の耳にキスしながら服ごしにやわやわと触れられる感覚がたまらなくいじらしくて、泣きそうになる。 「ねえ湊。肩車しただけでこんな感じちゃうなんて…  淫乱ちゃんだね?」 と笑いながら兄は言った。顔は見えないけど絶対笑っている。やだ、やだ、恥ずかしい、死にたい。 「やめ、て会長っ…」 俺がこんな状況でも“会長”呼べばそれに腹をたてたのか深いキスをしてくる。口を頑なに開けなければ唇を舌で舐めて来てこじ開けられる。 「会長じゃないでしょ?なんでお兄ちゃんって呼んでくれないの。」 「……だって、恥ずいし」 お兄ちゃんなんて、なんかカッコ悪い。会長の方が雰囲気あるし、そもそも別に良いじゃん呼び方なんてどうだって。 「恥ずくない、良いからお兄ちゃんって呼んで」 「っ……」 躊躇う、でも目が“呼ぶまでは絶対に離さない”と言ってる様で、昔の元ヤンの時の目だ。 「…兄ちゃん……」 恥ずかしいと思いながらうつむけば兄はまたキスしてくる。キスに俺が怯んでいればその隙に兄が俺のベルトを外してちんこの先を手で弄られる。 「っあ”っ!だめ、だめっ、普通のきょーだい、はこんなっ、ことぉ”っ」 振り絞るような声で言えば兄は楽しそうに笑う。 「ん~俺ら普通じゃないでしょ?だから大丈夫だよ」 語尾にハートがつく様な甘い声で言い、首にキスをして来る。そうすれば急にぴたりと兄の動きが止まる。 「……湊。これ、つけたの誰」 声のトーンが下がって、怒気を纏う兄はとても怖い。でも、俺には何のことを言われてるのかわからない。 「っ………?」 「この、キスマ。薄いけど残ってるよ?」  そう言いながらぐっと俺の尿道口を親指で擦り上げる。 「う”っ、わかん”なっぃい」 「ふぅん……先に言っとくね、湊。」 兄の目をぱっと見れば一日中獲物にありつけなかった狼が子ウサギを見つけたの様な目をしていた。 「っ、な、な、何…」 「ごめん、優しくできそうにない」 そう言うと急に壁に向かい合わせに押し付けられる。 「え”、ぅっ…な、にっ」 手コキが激しくなって、俺のちんこは限界そうにだばだばと汁を垂らす。 「あ”、お、ぉ…」 「まだイっちゃ駄目だから」 とぎゅうっと兄のネクタイでちんこの根元を縛られる。濡れた指が俺の後孔に当たり、少しずつ入ってくる。イっちゃだめって、何。なんで縛るの、精液出せないっ……、 取ろうと思って自分で手を伸ばしても、呆気なく兄に捕まってしまう。 「やっ、う”、ぅえぇえ”っ、う”、ぁ”」 ぼろぼろと涙が出て来て、俺は泣きじゃくる。 「ほら泣くなって…昔から本当泣き虫」 とザラザラした舌で目元を舐められる。昔から泣くと義兄、いや兄が来て慰めてくれる。今回の泣いた原因は兄なのだが。 「気持ちよくなるだけ、怖くないから。ほら俺がいる」 『俺がいる』それに、それだけに安心できる。実際俺は兄がいなくなったら生きていけない、精神的に。俺の人生にとっては必要不可欠な人間なのだ。 「にいちゃっ、うぅ…ひっ、ぐ」 「はいはい、大丈夫だから。キスに集中して。」 また唇を奪われる。さっきみたいな乱暴なのじゃなくて、甘くてとろけるようなキス。 後ろを弄られてる感覚はあったけどそんなのどうでもよくなるくらい、とろけそうなキスだ。愛を、感じる。 「ふっ、ん”ぅ…んぶ、っく、んぇ…」 舌と舌が絡み合う音と後ろと前を同時に動かされ鳴る水音が妙に脳に響いて、泣いたから出る嗚咽は兄が俺の唇ごと飲み込んで行った。
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