体育祭が始まるお

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雪も借り物競争出てた。3回目の走者だ。紙を拾い上げるとすっごい笑顔で俺のもとへ来た。 「一緒、行こ」 嬉しそうに手を恋人繋ぎにするように絡めてくる。向こうに着いてお題は何かと聞いてみれば 『自分の主人』 と書かれていた。困るんだけど、こんな公の場でこんなこと言って…、前に言いふらすなっていったけど、また口止めはしとかなきゃね? 「雪、だめじゃん。」 「…?」 「これは二人だけの秘密じゃないの?」 俺がそう言えばあっと雪が声を漏らす。お題に当てはまるのが俺で、さぞ嬉しかったのだろう。 「雪はお仕置きされたいの?次は秘密守ってね?」 俺がそう言うと雪の顔はみるみる赤くなっていき破裂しそうだった。いつぞやのお仕置きを思い出してるのか… 「う、ん。守る、二人の秘密……」 キリッと俺の目を見てそう答える雪。顔はずっと真っ赤だった。 ついでに結果だが、雪は1位だった。まあ俺も走ったし実質俺が1位ってことにしといて。 「騎馬戦きた~」 と俺が嘆くなか光は楽しそうだ。今は他の学年がやってるのを待機場所で見ている。 「男子同士が密着…(*≧∀≦*)」 「なんだその顔文字、異様にうざい」 「ごめんて」 俺は上で光も違う班の上。戦う訳じゃない。同じクラスだから味方。雪も違う班にいるようだ。 チームの他3人と話す。クラスの中でも結構背が高く体が引き締まってる辰巳と結城と鹿島。 辰巳はバスケ部の爽やかいけめそである。 結城はサッカー部の地味に毒舌だがいい奴。 鹿島はクラスのムードメーカー的な。 で俺は帰宅部のヒョロである。 「如月酔わないようにね」 と結城がふにふにと俺の頬をつついて来る。 「そんなうごくつもり動くつもりなの?ちなみに俺ハチマキ取れるかわかんないんだけど…」 ちょっと焦りながら言うと、鹿島がにかっと笑う。 「まあせめて相討ちで終わろうぜ!!」 いや相討ちて…、多分無理やで… 「色仕掛けとかしとく?」 結城がとんでもない提案を俺にする。 「俺が上なんですけど、俺に何させようとしてんのよ」 「湊くん、ほらハチマキ」 俺が酷い結城に反論してれば俺の頭に辰巳がハチマキをまいてくれる。 「さんきゅー」 ハチマキを巻いてくれた後ろにいる辰巳に顔を上げて言う。 「気にしないで」 と爽やか笑顔で返された。うーん、いつも思うけどこいつ本物の爽やかだよなぁ。 「そー言えば相手に生徒会会計いるぜ?」 と鹿島が思い出した様に言う。 「そっこー潰しに行こう」 俺はぐっと拳を握ってきりっとする。 「如月急にやる気じゃん」 結城が呆れた様に俺を見る。 「あいつ好きじゃない」 色々にがい思いをさせられてるから。 そうして騎馬戦は始まった。なんか知らんが小さい子の相手の何人かがスッと俺にハチマキくれた。 「え、いいの?これ。」 「やるな!!」 鹿島は元気にそう言うが、俺はなんもしてないけどね!!!今のところ3つ。もう終わりでもいいのでは?解体して撤退しない? 「やっほ~湊ちゃん」 と急に背後から声がして反射で頭を下げた。あぶね。 てか祐上なんだ。意外だ。 「逃げないでよ」 ニコニコしながら裕にじりじり来られた結果、俺はしっかり裕にハチマキ取られた。 「…ぐやじい!!」 俺は自分達の陣地に戻る間に、先頭の結城の頭をがしがしやった。 「ちょっ、八つ当たりすんなばか!」 と怒られた。降りるときちょっと体勢を崩したのだが鹿島が支えてくれた。やだ凄い筋肉… そうして騎馬戦は終わりを迎えた。つらたにえんだったな…
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