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「い、や…です…」
つっかえつっかえちわわは観念した様に言う。
「じゃあこれから絶対宮城君に手出さないって誓える?」
「っ!誓える、誓えますっ!」
水を得た魚のようにちわわは食い付いて来る。でも俺だってそんな甘ちゃんじゃない。これで許すわけないよね。
「誓ったところで何から何まで解決する訳じゃないよ?」
「「「………へ?」」」
と何人かの声が被る。笑顔がひきつってますよお客さん方。
「俺あんまり人を信じるたちじゃないんだよね。」
俺はずっとニコニコしながら話す。
「やっぱりこう、証明できるものとか。あっ1回宮城君にやったこと自分にやるとか!どう?名案じゃない??」
「え…」
おー焦ってる焦ってる。まあそりゃそうか。
「できないとは言えないよね?自分たちだってやったもんね。俺に水かけたりもしたし?」
「で、も……」
「ってことで殴っていい?」
俺は袖を捲って片手の指をぱきぺき鳴らす。
俺これ得意なんだよね、いつの間にかできる様になってた。
「ひっ……」
ちわわは声をあげて顔を真っ青にしながら怯える。俺は顔面向かって拳を…、目の前で止めた。
「これを宮城君は毎日のように経験してたってことだよ。君達は人の気持ち考えなさすぎ。まあ俺が言えたことじゃないけど…でも俺は軽蔑するね、そんなことする子達は。最も……」
1人の頬を片手で押し潰すように掴んだ。
「へぶっ」
「宮城君は優しいけど俺は優しくない。宮城君に何かしたら風紀どころじゃ済まさないからね。覚えとけよ」
笑わずに言った。ちわわは自身の生気を全部飛ばした様な顔をしている。性悪ちゃんが、ちょっとは反省しろ馬鹿。
さて、部屋に戻ろう。
「宮城君、行くよ」
「!」
俺が声をかけると宮城くんは俺の後ろをとことこと付いて来る。
「すごい…ですね。」
「でしょー、人を威圧するのは得意なの」
と俺は笑った。本当この特技役に立つな〜俺のいざって時のピンチには役に立たないけど…俺は脳裏に浮かぶ兄の顔をチョップした。
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