湊くんは案外寂しがり?

2/13
前へ
/475ページ
次へ
「あれっ湊、雪は?」 朝1人で登校して、荷物をいじっていれば光が俺に話しかけて来た。 「帰省したって」 「………寂しいのか!」 なんでそうなる。と思いながら俺は椅子に座った。 「あーあ…推しカプしばらく休止か~」 と残念そうに言う光。推しカプってやめてもらいたいよね本当。勝手にカップリングするなカス。お昼ご飯、俺は光と2人で食べていた。 「ししょー!!!」 そうすれば横の廊下側の窓から俺に話しかけてくる男が1人。 「成実…」 犬。こいつを見てると雪を思い出す。 「それ美味しそうっすね!」 俺の弁当のおかずを指さす。玉子焼きだ。 「はい」 俺は箸にさして成実の口に突っ込んだ。 「美味いっす!さすが!!」 ニコニコしながらもぐもぐと口を動かす成実。光も別の意味でニコニコしていた。 「あれっ今日は荻田先輩いないんすね」 「うん、帰省」 「ライバルが減ったっす!嬉しいかぎりですね!!」 別そんなこと知らんが… 「今日眠くならないのは雪が抱きついて来ないからだなぁ。あいつ子供体温だから…」 「湊きゅん、とかいって抱きしめられたいんでしょ?」 そう言って俺の肩に手を置き馬鹿にした様に笑う光。 「しばくぞ」 俺たちは会話しながら飯を食べ終えた。 「俺ちょっと出てくる」 俺は騒ぐ成実と光を置いて教室を出て、宮城くんの元へ向かった。扉から覗くとちわわたちがニコニコして群がってる。その中心は宮城くん。前髪上げてイケメンだ。 「あっ、如月委員長!」 俺に気がついて宮城くんはちわわたちをすり抜けて俺の元へ来た。 「どうですか、ちゃんと貰ったのつけたんですけど...」 「似合ってるよ」 そう言って笑えばえへへと宮城くんも笑った。うーん、まじでイケメンだなぁ。 「っ、きっ如月様!!!」 ……ぅげ。昨日俺が襲った(仮)のやつだ。頬を赤くしているその姿はまるで恋をする乙女(笑)である。 「昨日ぶりだねー」 にっこり笑えば男も 「はっハイ!」 と勢い良くうなずいた。 「お、俺田邊巽っていいます...」 君もイケメンだが他がイケメンすぎて霞んでる。なんか可哀想だ。 「田邊クンか~」 「あ、あの……き、のうの…」 「ん?命令でも欲しいの?」 俺が冗談混じりに言えば 「!!!!!!」 と彼の顔が爆発しそうなほど顔が赤くなる。 「あはー……」 ん、まじかー。そう言われてもすることねーっての… 「じゃあ教室でいいこでお勉強受けてね」 「は、い!!」 こんなのでいいのか。命令でもなんでもない気がするけど。 「じゃ宮城くんまたね」 「あ、はい!」 ちらりとクラスの中に目を向け、俺は面倒になる前に教室を立ち去った。
/475ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2240人が本棚に入れています
本棚に追加