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次の日、また次の日と雪は帰ってこなかった。んん…ちょっぴり寂しくはある。ちょっぴり。
だから今成実に抱きついて犬補給してるとこ。
「あ、ば、あばばばばばば」
と言いながら成実はずっと言って顔を真っ赤にしている。ぐへぐへ言ってる変態はほっといた。雪、ちゃんとあいつは断って帰ってこれるのか?それが心配。
「はあ……」
ため息を吐いて俺はいい筋肉に顔をうずめた。
家に帰れど靴は俺一つ。まあ帰ってるわけないか。と俺はスマホを持って食堂へ行った。てかあいつ3日って言ってなかった?明日で4日なんだけど…
「はぁあぁああ……」
俺のため息はデカくなる。
食堂で1人心細い中ラーメン定食を食べる。おいしい。
「みーちゃん!」
そうしていれば急に横から声がする。ようちゃんだ。食事を机に置いて隣に座ってくる。
「いつものわんちゃんいないね?」
「あぁ…きせ「帰省したんでしょ?知ってるよ」
………え?いや、怖いよ。
「なんで知ってんの」
「みーちゃんの身の回りのことは何でも知ってるよ、もちろんみーちゃん自身もね?」
そう言って不敵ににこっと笑う。こ、こわい。
「…それにしても、みーちゃん最近ちょっと太ったね。体脂肪率が2%あがってる。そんなみーちゃんも可愛いけどね♡」
と俺の頬を撫でる。……え、いや、うん…
俺がようちゃんに引いてあまり強く反応しなければそれを何かと勘違いしたのか、ようちゃんが眉を顰めてこんな事を言い出した。
「何、みーちゃんあの犬いなくて寂しいの?」
的確に言われて、俺は少し言葉に詰まった。そっか、寂しいのか。俺…
「さ、びしくは…」
それでもバレるのは恥ずかしいから否定しておいた。
「ふぅん?妬けちゃうなぁ」
勝手に焼けてろ。それにしても、ようちゃんとても怖い。
「みーちゃんは俺のなのに…」
「なんて?」
みーちゃんはオレオなのにみたいな事言ってなかった?
ごめん、本当に耳悪くて。
「寂しいなら俺の部屋来る?転校して来たから同室いないんだぁ」
俺の問いをガン無視したようちゃんに言われて俺は絶対来ないやつの返事をしておいた。
「行けたら行く」
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