湊くんは案外寂しがり?

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電車でスマホをいじる。いくつか乗り換えをして豪邸につくともう夜の10時である。 俺が門の前に来ると『ギィイィイイィイ』と音が鳴って門が開いた。車が中から出てきた。 「いつみてもって感じ……」 「湊様、お久しぶりです」 と車から出てきてニコリと優雅に笑う執事の美羽さん。ここは庭すら広い。まあうちもそんな感じではあるんだけども… 「お久しぶりです、お元気そうで何よりです美羽さん」 にこりと俺も笑ってお辞儀する。 「お乗りください、中で皆様お待ちです」 「ありがとうございます」 俺は謙虚そうに車に乗り込んだ。椅子がふかふかである。 「半年ぶりですかね?」 「そうですね、前来たのは去年の8月だったので」 「その…私が言うのもなんですが雪様をお願いしますね。奥様や旦那様も断ろうとしたようなのですが、むこうが目上なので断れなかったんです」 「あ~…、どこの方ですか?」 「皇(スメラギ)家です」 と美羽さんは苦笑い。うち、如月より位は低い。 位順に並べると 1永瀬家  2神道家  3如月家  4神楽坂家  5皇家  6に荻田家である。 如月と神道は結構複雑。簡単に言えば当主はちゃんと神道家にいる。その当主の妹と俺の父が再婚したのだ。まだしっかりとした説明はついてないがまた今度その話はするよ、多分。 て言うか正直言って権力とか位とか好きじゃないんだよな。なんかキモいし。それでも今回は雪を助けるために来たのでその権力を存分に振るわせてもらおう。 「まかせてください」 俺はにこっと笑って組んだ足を下ろした。 「ありがとうございます…」 美羽さんはほっとした様に笑顔を見せた。 「つきましたよ」 と先に車を降りて俺側のフロントドアを開けて手を差し伸べてくれる。 俺はその手を受け取り降りた。 「湊ちゃんお久しぶり、待ってたわぁ」 うふふ、とにこやかでおしとやかな笑顔を見せる雪ママ洋子さん。 「みっ、湊くん久しぶり…!」 頬を少し染めてニコニコ笑う雪パパ健さん。 「お二人ともお久しぶりです」 と笑って俺は浅くお辞儀をした。 ここ来てからずっと表情筋が仕事してる…
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