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女子と待ち合わせをした場所に近づくと、なぜかマサキはスケ―ドゥのスピードを速めた。
それと同時になぜか足元が熱くなってきた。
「なんで速度を速めるの?」
「お前に言いたい事がある」
「もうすぐ目的地に着くじゃないか。みんなと合流してからでもいいでしょ?」
「まあ黙って聞けよ」
「だから何?」
熱い。おかしい。スケ―ドゥがこんなに熱くなった事なんて今までに一度もなかった。
「スケ―ドゥのバッテリーってどんな素材で、できているか知っているか?」
「知らないよそんなこと! まだそんなこと学んでいないからわからないよ!」
「そうか。いろんなことに興味津々なコウタならなんでも学んでいると思ったけどな」
スケ―ドゥから煙が出始めた。
「このスケ―ドゥのバッテリーはネオジム磁石によってできている。だから放電や充電の時には熱を放出しやすくなるんだ」
「熱い! これ何?」
「通常は発熱しないように作られているが、流れる電流量が変わるとバッテリーの中に熱を貯めやすくなる。つまりじきに爆発を起こすって事だ」
故障したバッテリー?
「コウタは神様っていると思うか?」
「そんなことどうでもいいよ! 助けてよマサキ!」
「答えろ…」
「神様って天上の世界にいる絶対の全知全能の存在のことでしょ!」
僕の中に焦りが募っていく。
「まあ、知識としてでしか知らないお前ならそう言うだろうな」
「ああ!」
熱を帯びた靴に火がつきだした。
「進化した猫であるコウタにとって神という存在は人間に近づくための知識でしかないんだよな? なら気になるだろ?」
マサキは左手のモバイルコンソールを操作して僕のスケ―ドゥのセットアップを解除した。
システムはエラーを蓄積していき、スケードゥのスピードがさらに速くなる。
その時には、もうすでに空も赤く染まり、西の空に太陽が消えようとしていた。
マサキは空に指を指して「死んで天国に行くと本当に神様がいるのかいないのかがわかるかもな」と笑った。
火は全身に燃え移っていき、マサキに再び視線を向けるとそこで見てしまった。
奇妙な笑みを浮かべたマサキが僕を見て、冷たく見おろしていたところを。
「お前に人間の感情が理解できるとは思えない。お前との友達としての関係もこれで卒業だな。じゃあな」
そして僕は人間の恐ろしさを実感した時、スケ―ドゥは大きな音を上げて爆発した。
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