霊感体質からの卒業

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 スパゲティーもいつもより何だか生臭い気がして、半分も食べられなかった。しばらくは、近寄らない方がいいかもしれない。  隣の「丑三つ堂」の前に立って中を覗くと、漢方薬局のような雰囲気だった。 「いらっしゃいませ」  ドアがスッと開いて出てきた男にぎくりとする。出てきたのは、白いシャツに黒いズボンの片目に眼帯をしているあからさまに怪しげな長髪の男だ。それより異常なのが、その白いシャツがずぶ濡れでうっすら包帯のようなものが見えている事だ。 「失礼しました」  私の視線に気づいてジャケットを上に羽織った。 「あの、別に客では無いので」  目を合わさないように去ろうとすると、「何が起こっているか知りたくないですか?」と声をかけられた。思わず思い切り睨み返す。 「どうぞ」  私は抗えない力に絡め取られるように、店の中に入ってしまった。中に入ると、何か嫌な匂いがして、鼻に手をやる。案の定、カフェで悪さをしていた男の幽霊がふわふわと浮いていた。 「こ、こいつ!」
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