霊感体質からの卒業

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 ふわふわと漂う男の霊がにやりと笑った。だから、店が変わった今でも地縛霊化した霊が自由にしているということか。 「どうします? 焼きます? 粘膜」 「……」 「見えなければ、ご飯の味も美味しく感じますよ?」  私は二階の耳鼻科で、鼻の粘膜を焼いてもらうことにした。  治療はあっという間に終わった。 「どうです? 霊見えます?」  何の匂いもせず、男の霊も視えなくなっていた。 「おめでとうございます。霊感体質からの卒業ですね!」  声を出して笑い合う私と小向に混ざって、男の笑い声が聞こえた気がした。   了
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