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そのお弁当を見て、脳裏に浮かんだのは、浮気されているかもしれないという予感だった。
見えるところにあるお弁当を忘れていくなんて変だ。
午前休憩の時間に合わせて、翔也に連絡をしたけど、既読はつかなかった。
嫌な予感が膨れ上がっていく。
私は、電車で3駅分離れた翔也の職場へ向かった。
迷惑かもしれないとも思ったけど、居ても立ってもいられなかった。
「営業部の赤坂翔也の妻です。忘れ物を届けに来たんですけど…」
オフィスの受付でそう伝える。
受付嬢は、申し訳なさそうに
「今日は営業部は休みでして…」
と言った。
心臓が早鐘を打つ。
翔也が言った土曜出勤は、嘘だった。
それを知った途端、めまいがして、足の力が抜け、私はその場に座り込んだ。
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