【02】 信用

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信じた私がバカだった。 心配そうに駆け寄って来る受付嬢に「大丈夫です」と「すみません」を繰り返しながら、私は立ち上がって、帰路についた。 帰りの道は、とても長く感じられた。 翔也、私に嘘ついてどこに行ってるんだろう。 誰と会っているんだろう。 私の知らない人と、また遊んでいるのかな。 それとも――梨子の顔が脳裏を過る。 連絡先全部消したって言ってたし、梨子じゃないよね。 梨子からも、謝罪の連絡あったし。 違うよね? マンションに帰ると、まだ翔也は帰っていなかった。 私は、高校時代からの親友、(まゆ)に連絡を入れた。 「翔也、また浮気してるかも」 土曜日だからか、すぐに既読がついて、直後に電話がかかってきた。 繭からの電話だった。 「もしもs…」 「だから再構築なんてやめときゃよかったのに」 開口一番、繭の大声が鼓膜を震わせる。 「ごめ…」 「再構築するかどうか悩んでる時に相談してくれてたら、別れろって言えたのに」 電話の向こうで、繭がため息をつく。 「浮気してるかもって根拠は?」 「実は…」 私は、今日の出来事を話した。
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