【02】 信用

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「信じてみようかって思えてた矢先のこれは酷いね」 「どうすればいいと思う?」 「まずはスマホチェックだよ。前と同様に、証拠になりそうなものは全部写真撮ってね」 繭が淡々と言う。 私が何も言えずにいると、 「もし今回は別の女でも、また梨子ちゃんだったとしても――両親には言いなさいね。結婚前提で同棲してるんだから、ちゃんと伝えたほうがいい。それで婚約破棄しちゃいな。彩香には絶対、もっといい男いるんだからね」 繭の声は、怒りで少し震えていた。 再構築を相談しなかったことに、罪悪感が襲ってくる。 同時に、繭の最後の一言に心が救われた気がして、私は「ちゃんと調べてみる」と返事をした。 まだ少し勇気が足りないし、この期に及んで、浮気じゃないことを信じようとする自分に呆れる。 でも、傷つけられっぱなしは嫌だ。 やれることはやろう。
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