【03】 崩壊

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ずっと続いていたやり取り。 SNSにアップされたツーショット。 押さえてくれと言わんばかりの証拠を無心で写真に収める。 誠実なフリして、裏ではこんなことしてたんだ。 最低。 信じ込んでいた私を、笑ってたのかな―― 気持ちを踏みにじられたようで、悔しくて、涙が止まらなかった。 写真を撮りながら、私は繭に言われたことを思い返す。 今回、翔也の浮気相手が梨子でも、違っても、結婚前提の同棲をしているから両親にも話をしなきゃ――か。 私にとっては、とてもハードルの高いことだった。 両親とは、社会人になって実家を出てからも仲がいい。どんな話でもできる。 でも、この話だけはできない。 せっかく、お母さんが再婚生活を幸せに送っているのに。 その連れ子が、私の婚約者と浮気してたなんて知ったら、お母さんが自分を責めてしまいそうで怖い。 私は、サイドテーブルに置かれた卓上カレンダーを眺めた。 来月の頭の日付のところに、“両家顔合わせ”と書いてある。 言いたくなくても、言わなくちゃいけないんだろうな。 言いたくないなぁ。 悪い夢ならいいのに。
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