【01】 発覚と選択

2/6
前へ
/19ページ
次へ
梨子の顔に、驚きの色が浮かぶ。 「何でがいるの?え、どういうこと?」 私は梨子の顔を見上げ、ニコッと笑った。 「どうしてだろうね?何の心当たりもない?」 それから、この1ヶ月、かき集めた証拠の写真をスマホに表示させる。 それは、先ほど翔也に伝えた、SNSの投稿ややり取りを写真に収めたものたちだった。 とは言え、梨子の反応から察するに、翔也に婚約者がいて、それが私だったということは知らないらしい。 にしても―― 「私と婚約しておきながら、18歳の女子高生に手を出すって、なかなか気持ち悪いね」 私は翔也を睨む。 彼の隣に座った梨子が、目を見開く。 「えっ、お姉ちゃんの婚約者!?翔也が?」 「私の婚約者、私と同い年で翔也って名前だってことは伝えてあったと思うけど?」 まぁ、私の婚約には興味なくて聞き流してたんだろうけど。 梨子は項垂(うなだ)れて、反省しているように見えた。――と思ったのは束の間、 「でも、私、翔くんと本気なの!」 と言い出した。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

178人が本棚に入れています
本棚に追加