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梨子の顔に、驚きの色が浮かぶ。
「何でお姉ちゃんがいるの?え、どういうこと?」
私は梨子の顔を見上げ、ニコッと笑った。
「どうしてだろうね?何の心当たりもない?」
それから、この1ヶ月、かき集めた証拠の写真をスマホに表示させる。
それは、先ほど翔也に伝えた、SNSの投稿ややり取りを写真に収めたものたちだった。
とは言え、梨子の反応から察するに、翔也に婚約者がいて、それが私だったということは知らないらしい。
にしても――
「私と婚約しておきながら、18歳の女子高生に手を出すって、なかなか気持ち悪いね」
私は翔也を睨む。
彼の隣に座った梨子が、目を見開く。
「えっ、お姉ちゃんの婚約者!?翔也が?」
「私の婚約者、私と同い年で翔也って名前だってことは伝えてあったと思うけど?」
まぁ、私の婚約には興味なくて聞き流してたんだろうけど。
梨子は項垂れて、反省しているように見えた。――と思ったのは束の間、
「でも、私、翔くんと本気なの!」
と言い出した。
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