【01】 発覚と選択

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毎週、土曜出勤だからと、土曜日は連絡がつかなかった。 仕事してるんだと信じて疑わなかったのに、これから先、その言葉を――ううん、翔也の言うこと全て、私は信じていけるのかな。 ◆◆◆ 夕方、私が住むアパートに、翔也が訪ねてきた。 「彩香、ごめん。ツラい思いさせてホントにごめん」 翔也はひとりだった。 私は、ひとまず翔也を室内に招き入れた。 「謝罪はいいよ。どれだけ謝られても、すぐに許せるようなことじゃない。それよりも、梨子との話し合いはどうなったの」 聞くのが怖い。それでも、聞かなければいけない。 私の質問に、翔也は一言「別れたよ」と言った。 「え?」 「別れた。最初はごねてたけど、説得を続けて、別れるってことで合意してもらった」 …別れた…。私は何も言えず、ただ翔也の顔を見つめる。 「互いの連絡先も消してある。金輪際、こんなことしないって約束する。すぐには信じられないかもしれないけど、信じてほしい」 信じられなければ、別れてくれていい。 誠意を示すために、一緒に暮らしたい。 そんな翔也の言葉を、私は受け入れていた。 漠然と、翔也と別れたら私は結婚できない気がして、別れるという選択をできなかった。
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