【01】 発覚と選択

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それに私は、何故か昔から、相手の言葉を無根拠に信じてしまうところがあった。 翔也の、この言葉も、 これだけ謝ってくれてるんだから、もう同じ過ちは繰り返さないよね。 と信じてしまった。 信じたというか、信じたかったというか――。 浮気する男はまた浮気する、という考えに至らなかった。 「わかっ……た」 こうして、私は翔也と同棲を始めた。 梨子のことは、両親には言わなかった。 大ごとにして、結婚を反対されるのが嫌だった。 それに、母さんに梨子のことを話すのは、気まずかった。 今回、話し合いで解決したんだし、言わなくてもいっか。 この選択が、更なる地獄への入り口だなんて私は、考えもしなかった。
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