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第19話 想いだけでは、どうにもならなくて。
新☆年☆度。希望を胸に入学してきた一年生が、こんなはずじゃなかったと絶望を感じ始める4月の中旬。
かつて新入生だった俺も、気付けば3年生になりました。社会に揉まれ世間に揉まれ、胸は揉めず尻は揉めず。世知辛い世の中です。
ぶきっちょリーグもひっそり開幕。俺たちは毎週土曜に2試合、3試合、3試合、3試合。4月だけで11試合という強行軍。『まぁ、どれかは春の長雨で潰れるわよ〜』という桜さんの読みも見事に外れ、笑えるくらい晴天続き。ヒョロガリくんもヒョロロロと震える事態になっていた。
おいおい珠樹さん♡って思ったけど、珠樹さんの無茶振りではなかった。『チャンピオンシップで気の毒に思った人たちがどんどん誘ってくれて……そういうことなら断れないじゃん?』って理由らしい。なるほど、確かに。
悲しいことがあったけど、そのおかげで試合がいっぱい組めて、でも組み過ぎてグロッキーになって。こういう時なんて言うんだっけ。敏感エッチ最高だよなみたいなヤツ。……『人間万事塞翁が馬』? ありがとうヒョロガリくん。そんな目で見ないで。ごめんて。
まあ、そんなわけなら仕方ないかぁと思いながら、開幕週のダブルヘッダー、次週のトリプルヘッダーをこなして迎えた第3週。
『おいおいおいおい珠樹さん♡』と言いたくなるような事態になった。
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