第19話 想いだけでは、どうにもならなくて。

7/30
前へ
/754ページ
次へ
 すでに珠樹さんが呼んだ草野球人たちも到着していた。各所に点在してソワソワキョロキョロしながら待ってたけど、こっちの姿を見て続々と集まってくる。合流するまで誰が今日の味方チームか分からないので、知ってる人が現れるまでこうするしかない。草野球あるある、助っ人あるあるだ。  集まったメンバーは、インフィニティから宇田川さんと武藤さん。スーパーノヴァから柴犬1号こと伊能さんと、柴犬2号こと横尾さん。ライズ川崎から山田さん、井川さん。原田アンビシャスから町田さん。相手が全員22歳ってことで、こちらも17〜25歳の若いメンバーでそろえた。急な呼びかけなのに、よくもまぁ集まったな。みんなヒマなんだな。  一方、雅さんと佑蒲さんのチームメイトとなる土手高97期生たちは…… 「おっせぇな」  スマホを見たあと、忌々しげに舌を打つ雅さん。試合時間まであと40分といったところ。着替えとか、道具の準備とか、ウォーミングアップとかを考えたら、もう割とギリギリの時間だ。  しかし、ひとりも姿を現さない。雅さんがさっきからしきりに何かしらの連絡を取ってるんだけど、一向にそれらしい人影が見えない。もう着いてて、車の中で着替えてるとかだったらいいんだけど、雅さんが焦ってるってことはそうじゃないんだろう。
/754ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加