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「集合場所が分からないんじゃないか? 少年野球場の方にいるとか」
「いや、それも言ってあんだよ。……ったく、グラウンド入ったらすぐ試合開始だぞって伝えたのによぉ」
佑蒲さんも不安げな表情を見せる。そりゃ、これだけ人を集めさせといたクセに自分たちの仲間が遅刻なんて、シャレにならんからな。
気が気でないのは珠樹さんと桜さんも同じである。球場の時計を見ながらソワワワワと脚を揺らしてる。まあこの二人の場合は、もともと早く草野球したくてせっかちになるんだけど。相手チームを気にする前に、まずは口の端を拭いてほしい。まだきな粉ついてますよ。
心配したところで、できることと言えば連絡を取り合うことだけ。俺たちまでアップ不足になっても仕方ないので、来た人からどんどん準備を進めるほかない。
俺はバッグを開けて、まずポケットティッシュを取り出した。『口を拭いてね』ってつもりで野球ハイエナの方に差し出した。珠樹さんは『お、サンキュー』って紙を取ると、チーンと鼻をかんだ。違うって。
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