第19話 想いだけでは、どうにもならなくて。

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※  6番打者・井川さんは初球を打った。ランナー2塁で左打者、これ幸いと思いっきり引っ張った打球が一塁線を破っていく。  2塁ランナー菊田さん、スピードを緩めながら悠々とホームイン。打った井川さんもコケないスピードでゆったり走って2塁に到達。タイムリー2ベース、1点入って一死2塁、状況変わらず。  宇田川さん内野安打、すぐさま盗塁。武藤さん内野ゴロで一死3塁。柴犬1号(いのうさん)が左中間タイムリーツーベース。柴犬2号(よこおさん)がセンター前ヒット、柴犬1号が好走塁で生還。山田さん左中間タイムリーツーベース、柴犬2号が生還。そして井川さんのタイムリーツーベース。  佑蒲さん、打者6人で4失点の大炎上。いや、本気で投げられないから仕方ないんだけどさ。それ以上に草野球狂のみなさんが容赦なさすぎる。ゆっくり投げてくるからって初球から打ちまくるもん。血も涙もないもん。  最初こそは苦笑いを浮かべてた佑蒲さんも、今はその余裕すらない。『ある程度は打たれるだろうが、仕方ないな』なんて試合前に言ってたけど、予想の範疇を遥かに超える打たれっぷり。いちおうストレートに強弱をつけてなんとか抑えようとしてるのが涙ぐましい。
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