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キャッチャー雅さんが、SIMPLE3000シリーズ THE 棒読みって感じで『悪い悪い』と形だけの謝罪をしてくる。一滴も感情というものを感じさせない顔してる雅さんに、ひとこと忠告する。
「たぶんピッチャーの人、肩を痛めましたよ」
「え゛!?」
「替えないとヤバいと思います」
雅さんは血相変えてタイムを取ると、バタバタとマウンドに駆けていく。しばらく話し合った後に、羽田さんがマウンドを降りた。右肩を押さえながらベンチに向かう羽田さんの姿は、痛々しくて仕方がない。
まあ、ドンマイだな。事前に練習するなり筋トレするなりして、備えてから試合に臨むべきだったんだ。たかが草野球だったとしても……いや、草野球だからこそ、きちんと準備すべきだったんだ。趣味で怪我して生活に支障をきたすなんて、バカバカしいもんな。
とりあえずピッチャー代わりそうだからいいか……と思いながら見守ってたら、『早く一塁に行きなさいよ』って珠樹さんにケツを蹴られた。デッドボールの5千倍くらい強い衝撃だった。俺はケツをさすり、泣きながら右打席を出た。
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