第19話 想いだけでは、どうにもならなくて。

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「救急車呼んだ方がいいわね~。頭も打ってるし、そもそも日曜の夜に外来なんか開いてないし~」 「私が呼んでくる。公園の管理人にも話を通さないと」 「管理事務所はテニスコートの隣よ~」 「わかってる!」  桜さんと珠樹さんが冷静に話し合い、珠樹さんはすぐに球場を飛び出していった。桜さんは倒れ込んだままのファーストに『動いちゃダメよ~、担架が来るまでこのままね~』と声をかける。男衆は……オロオロとするばかりだった。やっぱり、こういう時に頼りになるのは女性だったりする。  しばらくして、3人の救急隊がグラウンドに入ってきた。ふたりの隊員が怪我人をストレッチャーに載せてる間に、ひとりの隊員が通報者の珠樹さんに状況確認。誰かひとり病院まで同行してほしいってことで、羽田さんが自分の車で病院に向かうことになった。  迅速な通報と処置によって、アクシデント発生から10分足らずで怪我人は搬送されていった。まあ、救急隊と病院に任せておけば何とかなるだろ。俺たちにはどうしようもないし。
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