第19話 想いだけでは、どうにもならなくて。

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※  結局試合は16対9でぶきっちょリーグ連合が逃げ切った。1~4回と5~7回で別々のチームでプレーした俺は勝ったのか負けたのかよく分からない気分だった。  試合終了時点で日曜日の21時過ぎ。翌日も仕事や学業がある皆さんは、試合が終わるや否やドヤドヤドヤ〜っと帰っていった。俺たちは全員の帰りを見送ったあと、ユニフォームのまま車に乗り込んだ。今日はもう帰るだけだから、着替えるのもめんどくさいもんな。 「いい? 引退してしばらく経った後の人間がいちばん怪我しやすいの。経験があればあるほど危ないの」 「どうせ、草野球だからってナメてたんでしょ~。次までにもうちょっと練習して身体ほぐさないと、また同じことになるからね~」  車の中では、珠樹さんと桜さんのお説教タイムが繰り広げられた。相手がいないって言うからメンバーかき集めて試合してやったのに、怪我人の介抱までさせられた。まあ、怒るのも無理はない。  怒られてる佑蒲さんと雅さんは、『ハイ。ハイ。スミマセン。』と言うだけのマシーンに成り下がってしまった。夕方まであんなに元気にくず餅を食べていたのに。特に雅さんは、中心になってメンバーの世話を焼いてたのにこうなったんだから、かわいそうと言うほかない。
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