第20話 あなたと、未来を思い描いて。

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「ライフスタイルかぁ……いいこと聞いたわね。みんなにも教えてあげないと」 「そうね〜……危うく草野球が出来なくなるところだったわね〜。そんな生活、考えただけでゾッとするわ〜」 「一生を草野球に捧げられるような生活をしたいわね。でなきゃ生きてる意味がないわ」 「でも考えて〜。若い頃にお金をいっぱい作ったら〜、河川敷に専用グラウンド作れるかもしれないわよ〜。そうしたら朝から晩までずっと試合できちゃうわね〜」  渡辺さんのアドバイスを受け、珠樹さんと桜さんは将来設計について話し出した……そして、どんどんヤバい方向に進んでいった。  『付き合わされる方の身にもなれ』とか『俺のこと笑えねえじゃねえか』とか『もっとリアルな話しろよ』とか突っ込むところはいろいろあったけど、まあ放っておくことにしよう。草野球ハイエナの妄想力はいつものことだし。  そうこうしてるうちに、俺たちのメインディッシュが届いた。料理を受け取ったり、空いた皿を猫ロボットにしこたま載っけたりして、机の上を片す。  ひと段落して渡辺さんの方を見たら、揚げパンバニラアイスだけでなく白桃杏仁も食べ切って、台湾カステラに手を付けてた。俺の背筋が完全に凍った。
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