第20話 あなたと、未来を思い描いて。

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※  当然のように日曜日も草野球の助っ人に駆り出され、ゲンナリして迎える月曜日。ゲッソリと授業を乗り切り、生徒会でヒョロガリくんとヒョロロロロと戯れたあと、ジムでのアルバイト。  出勤したら、店長から何枚かの書類を渡された。スポーツトレーナーとして使える資格をいくつかピックアップして、資料を持ってきてくれたのである。 「大学でも専門学校でもいいから、こういう資格取得を目指せる学校に進むといいわね。 あ、でもアンタはノンケだから大学がいいと思うわ。専門だと男が多すぎて、アタシみたいなのもいっぱいいるからね〜♡」  店長のありがたいアドバイスを活かして何が何でも地を這いつくばってでも大学に行くとして……問題は、役に立つ資格が多すぎる。  家に帰り、ベッドに寝転びながらじっくりと資料を見ても……どれを優先して取るべきか、なかなか判断が難しい。思わず股間を掻きむしってしまった。  いちおう俺個人でも調べた結果、『トレーナーになるのに必須の資格はない』と分かってるから余計にタチが悪い。実は今日からでも勝手に名乗っていいのがトレーナーという職業なのである。  かと言って、専門知識を学習してないトレーナーなんかに何も教えを乞いたくない。専門知識を学習し、保有してる証として、資格はやっぱりあった方がいい。じゃあ、教わる方がより信頼を置ける資格ってどれなんだろう……。
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