第20話 あなたと、未来を思い描いて。

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 そうだ。紀田さんに相談してみよう。元プロ野球選手なんだし、知り合いにトレーナーの1人や2人いるだろ。紹介してもらって、話を聞いてみよう。  23時過ぎならバッティングセンターも閉めてお家に帰ってるかな……いや、あんな『陸の孤島(笑)』にあるバッセンだし、早仕舞いしてとっくに寝てるかな。まあいいや、AINEだけ入れとくか。 『お疲れ様です。突然なのですが、スポーツトレーナーの仕事について教えていただきたいです。紀田さんのお知り合いにトレーナーの方がいらっしゃったら、ぜひ紹介してください』  これでよし。返事を待とう。その間にちょっと風呂でも……  返事はすぐ来た。メッセージじゃなくて通話がかかってきた。服を脱いでいるところだった俺、全裸で通話に応じることとなった。 「渡くん、トレーナーやるの!? ホントに!?」  電話口の向こうの声は弾んでるなんてレベルじゃなかった。スピーカーフォンじゃないのに、スマホを3フィート離しても聞こえる声量である。思えばプロ野球の現役時代から熱血ハッスルプレーが持ち味だったっけな。  全裸のまま、紀田さんをなだめるような気持ちで通話に応じる。ハイシ ドウドウ、ハイ ドウドウ。
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