週末、多摩川で逢いましょう。

第２１話 あの娘も、この娘も、俺のもので。

　６月。５月末くらいに『このまま行くと生徒会選挙の立候補者が蓮沼くんだけだから、生徒会長から何から全部の役職をひとりで担うことになるよ』って蓮沼くんを脅したら、なんと可愛い女の子を３人も連れてきたでござるの巻。

　蓮沼くん、優しいからモテるんだよなぁ。このままでは俺たち無き後の生徒会室がハーレムになっちゃうよ。

　さすがに良くないと思って、会長よりモテちゃいけない校則があるんだよって牽制してみた。背後からヒョロガリくんがﾋﾞｼ! ﾋﾞｼ! ってチョップを入れてきた。

　だってだってヒョロガリくん、悔しくないの？　……え？　そんなことで悔しがるからモテないんだって？　ごもっともです。

　無念さを乗り越えて週末。土曜の草野球を適当にやり過ごし、日曜日。

　特に日曜草野球の召集令状(おさそい)もなく、久々に迎えるフリーの日曜なんだけど……俺は朝早く起きて、いそいそと準備していた。デートじゃない。デートだったらどれだけ良かったことか。まあ、将来的に考えたらデートと同じくらい大事なイベント。

　日曜の朝から出かける先は……進学希望を出した多摩川工科大学。今日はオープンキャンパスが開催されている。