第19話 想いだけでは、どうにもならなくて。

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※ 「んじゃ、これより『ぶきっちょリーグ若手連合軍』と『.Echo97』の試合を始めま~す」  珠樹さんの挨拶を受けて、整列した両チームが頭を下げ合う。予定よりちょっぴり遅れた18時45分に試合開始となった。まあ、そもそも球場入りして10分で試合を始めようとする草野球人たちが狂ってるんだけどな。  ちなみに相手チーム名『.Echo97』は、【ドット エコー きゅうじゅうなな】と読むらしい。『土手高』を文字ってドットエコー、数字は97期生だから。まあまあ捻ったチーム名だな。どこかのバイキンマンズにも見習ってほしい。  『.Echo97』の先発投手は――佑蒲さん。高校野球を引退して以来の登板だ。かつては土手高のエースでありながら、左肘を故障してピッチングが出来なくなった。利き腕じゃない右投げで草野球を続けながら、地道にリハビリを積んできた。そして今年の春、お医者さんからの許可も出て、再び仲間をバックにしてマウンドに立つ夢が叶った。  佑蒲さんの球を受けるのは、唯一無二の相棒・雅さん。かつて土手高を関東大会まで導いたバッテリーが、ここに復活。まだまだ全力投球ができず、佑蒲さんはゆったりと投げ込んでくるだけなんだけど……それでも雅さんは投球練習中に目頭を拭っていた。  久々の黄金バッテリー。土手高野球部時代のユニフォームに身を包んで思い出に浸るお二人に対し――  空気を読めない草野球バカどもが、容赦なく襲い掛かった。
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