03_不埒な悪魔、消滅

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「どうすればいいのかな?分かんないけど、こうやって手を繋げば私の力つかえるかな?」 「いいのか、…悪魔に手を貸したと知れれば、お前は…」 弱気なアランなんてらしくない。 片手を離して、彼の通った鼻筋を指で挟めばアランはビクッと肩を揺らした。 「神より、家族より…私はアランのために持てる力を使いたい。」 「…、」 「悪魔とか、天使とか…関係ないの。 ただ、愛したあなたに。 優しくていつでもそばにいてくれた…辛い時に救ってくれた、支えてくれた… そんな、アランに…私は生きてて欲しい。」 ふたり、見つめ合う。 溶けてしまいそうなほど甘く切ない瞳は、彼から向けられる【愛】であると…信じたい。 いや、勘違いだとしても…今くらい…どうか信じさせて欲しい。 「紗羅…ありがとう。」 「…っ、…」 アランが小さく微笑んだのを合図に、彼と私の手からゴゴゴ…と音を立てて光と闇の渦が立ち上る。 ああ、本当の本当に…お別れ、だ。 アニメでしか見たことがない、こんなファンタジーな状況だというのに…不思議と、先ほどまでの混乱はなかった。 渦から発生する強い風に髪を揺らしながら、握りしめた手に力を入れる。 「さあ、願って…アラン。」 「ああ、」 私の知らぬ間に、一度殺されたアラン。 そして、今は…私の目の前でいなくなろうとしている。 どちらが残酷かは分からない。 しかし、どんなに辛くても…彼を守れないのは…もう嫌だ。 一人で傷付かせるのは…嫌なんだ。 だから、最後の時まで…君の手を取って、私は君の幸せを願う。
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