01_不埒な悪魔、降臨

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ーーーー ーーーーーーー 案の定、十数年ぶりかに閉じ込められたお仕置き部屋。 「あー…くん?」 「おう、なんだ?紗羅。」 名前を呼べば微笑んで、当たり前のように返事をするこの男が…あのクマのあーくんだなんて到底信じられるはずがない。 「本当の名前は“アラン”だ。あーくんでもアランでも、好きに呼べ。」 「…嘘も…いい加減にしてよ。あーくんは、可愛い…クマのぬいぐるみで…」 「ああ、だから…」 顔を近づけた悪魔、アランは私の手を自分の頬に擦り寄せ、妖艶に笑う。 「愛らしさはあの時のままであろう…。まあ、随分と男前になりすぎて驚くのも無理はないがなぁ」 「…、近っ…」 「なんだ、こうやって頬を擦り付けるのがお前のお気に入りだろう。」 「…なっ、…やめて…ってば!」 私の腰を寄せて頬を擦り寄せるアランに上昇する体温。 距離は近いし、何かと強引だし、私の疑問にちゃんと答えてくれないから話進まないし! 「い、いい加減にして!あーくんは昨日あの人に燃やされたの!もう…いなくなっちゃったの!」 彼を突き飛ばして叫ぶ。 全力で胸を押したっていうのに、余裕そうにこちらを見下ろす真っ黒な瞳。 その瞳があーくんと重なって、泣きたい気分になる。 あーくんがいなくなって…こんなに辛いのに、どうして傷口に塩を塗るようなことをするの? 忘れたくないけど、忘れないといけないのに…悪戯に…自分かあーくんだなんて、そんな冗談酷すぎる。
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