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初対面の人間では知り得ないことを言い当てられて目を見張る。
そんな私お構いなしで、私の体をキツく抱いたアランは、そのまま首筋に顔を埋めた。
「いつもこうやって首筋に顔を押し当てて、強く抱きしめてくれたじゃないか。」
「…っ、ん、」
首筋に走る痛み。そのあとチュルリと濡れた感触が鎖骨から耳の下まで這い上がる。
「な…ちょっと…やめ、」
「いや、やめない。ひとつずつ、お前に俺のことを思い出させてやろう。」
「…ひ、ぅ、」
服の裾から、長い指が入ってきた。
素肌に触れる指先は冷たくて、他人に初めて触れられる場所に困惑して仕方がないのに、不思議と嫌悪感は抱けなかった。
「俺は確かに昨日燃やされた。」
「…っ、は、」
「だが、そのおかげで封印が解けて、本来のこの姿に戻ることができたんだ。」
「や、っ…話す、なら…手を止めて…!」
ちゅ、ちゅ、と体に口づけを落としながら、大事な説明を始めるアランを叱りつけるが、そんな言葉はニッコリ笑って跳ね除けられて、
「成らん。言葉だけでは紗羅は信じてくれなさそうだからな。」
「…っああ、」
寝起きで下着すらも身につけていなかった胸を手で覆ったアランは爪先で先っぽを引っ掻く。
いきなりの刺激にあられもない嬌声を響かせれば、アランは長い舌をペロリと出して「…ああ、いい声だ。紗羅」と、ひどく妖艶に微笑んだ。
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