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「大丈夫か、紗羅。…お前にこちらから触れるのが嬉しくてなぁ。少し調子に乗ってしまった。」
「…ッケホ、…はあ?だから、あんた誰…なのよ…。不法侵入で…訴えるわよ?!」
「ほー、不法侵入とやらは、人成らざるものでも適応されるのか?というか、そもそもこの家に連れてきたのは他でもないお前であろう。不法侵入ではない。」
「…何、言ってんのか…」
枕に肘をつき、その上に頭を乗せる悪魔は、未だ混乱中の私に淡々と答えてくる。
訳の分からない状況に夢であってくれと手首をつねったが、…願いも虚しく、返ってきたのは強い痛みで。
「あ、あんた…悪、魔…でしょ?」
「おー、気が付いたか。」
気が付いたか、って…そんなおぞましいツノ…会った瞬間から分かるっての…
私はサイドテーブルに置いていた十字架のネックレスに手を伸ばす。
そして、それを目の前にかざしながら再びベッドから飛び降りた。
「こ、ここは…教会よ…っ?!…神に祈りを捧げる場所。…あなたのいて良い場所ではないの!」
眉間にシワの寄る私を真顔で見つめる悪魔。別に睨まれているわけではないのに強すぎる目力に吸い込まれてしまいそうだ。
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