03_不埒な悪魔、消滅

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アランの薄い唇が…ゆっくりと動く。 それがやけにスローモーションに感じるのは…疲れた脳のせいだろうか。 「…我が祖先よ、明けの明星に見守られし暁天に…悪魔アランと天使サラの名の下に汝の真なる力、目覚めよ…」 私たちを包む白と黒の渦が更に勢いを増して大きくなる。 繋いだ手から眩しいほどに溢れ出すこの光は…私とアラン、二人の力らしい。 アランが私を見つめる。 別れを惜しむ、私と同じ表情で切なく微笑んだ彼は、そっと願いを紡いだ。 「どうか…俺を、……人間に。」 「…っ、」 予想外のその願い、私が理解するより早く…彼の体が渦に飲まれた。
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