01_不埒な悪魔、降臨

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それからは18歳のこの歳になるまで、あーくんはずっとそばにいてくれた。 家族から「お前は異端だ」と冷たくされようが、神を信じる周りの友達に馴染めなかろうが… あーくんがいてくれれば平気で。 みんなへの不満は夜寝る前にこっそりあーくんにだけ話して、母親と約束したとおり口答えするのはぐっと我慢。 毎日欠かさずにお祈りをして、教会の手伝いもちゃんとして… 表面だけでも周りに馴染めるように努力した。 それなのに…だ。 昨日の朝、あーくんは母親に殺された。 いつも起きたら胸に抱いているはずのあーくんが見当たらず、自室の窓から庭を覗くとモクモクと煙が上がっていた。 「まさか…」と血の気の引く思いで庭に出ると…黒の灰に成り果てた…彼の姿が。 元からあーくんのことをよく思っていなかった母親。 「茶色や白色のくまなら可愛いけれど、なんで不吉な黒色なの?」って…あーくんを一目見た時からそう言って彼を侮辱した。 それでも、約束を守って言うことを聞くようになった私を見て、あーくんを取り上げるなんてことは今までしなかったのに…。 「…なんで、こんなこと…」 涙ながらにそう尋ねれば、母親はこちらに目もくれず口を開いた。 「一昨日、うちの御神木に雷が落ちたでしょう…? ついに神がお怒りになられたのよ。本当はあのぬいぐるみが来た時から嫌なオーラを感じてた。 でも、あなたがあまりに大事にするから容認していたけど、もう限界よ。」 「…何言って…」 「このぬいぐるみは邪悪だわ。ここで祓っておかないと。」 「…」 長い木の棒で灰をかき混ぜる母は、私から見れば毒薬を作る魔女みたいに見えた。 そんな、勝手な理由で…あーくんは、私の唯一の心の支えは…燃やされたのか…。
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