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「…って…ぃだ。」
「…え?」
「…最低だ…っ!何が神様だ、…っ!」
「ちょっと、…紗羅?!」
泣きながら母親を睨んで、怒声を吐き出す。
5歳の頃から13年間、溜まりに溜まった感情が一気に爆発した。
「みんな集って、見えもしないものに縋って、陶酔して、気持ちが悪い…っ!」
「なんてことを言うの!」
「それでも我慢して、祈るふりをしてきたのに…
こんな酷い仕打ちある?!なんの罪もない者を痛めつけて…それが、神を信じる者がすることなの?」
「…いい加減に、」
「私からしたら悪魔より…よっぽどお母さんの方が悪いやつだよ!」
「…っ、紗羅…っ!!」
私を叱りつけるその目が嫌い。
私の考えさえも抑えつけようとするその声が嫌い。
自分は絶対に正しくて、神を信じていない私を異端と思っているであろう空気が大嫌い。
どんなに怒ったって…あーくんはもう戻ってこない。
その事実が悲しくて、苦しくて…次々に涙がこぼれ落ちる。
母にこんな風に反抗すれば、自分がどういう目に遭うかは分かっていた。
それでも、私は声を上げる。
もう、自分の気持ちを我慢する必要はないから。守るものは…なくなってしまったから。
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