Tenderness

10/23
前へ
/23ページ
次へ
「お姉さま〜、ってやつぅ? ホントにいるんだな」  三人で喋ってた私たちの横通ったクラスの男子が揶揄ってきた。  ちょっとふざけただけだって、それくらいわかってる。私が笑って流せば済むことくらい。  だけど、自分でもなんでと思うくらいイラッとした。わりと短気なセンちゃんが口開く前に、自分で反撃に出る。 「だったら何? なんか悪い?」  私の極限まで低い声に、彼は目に見えるくらい顔色変えた。 「あ、あ! ゴメン、俺ちょっとした冗談で。悪かった」  真顔で返されて向こうも焦ったみたい。「……別に」ってどっかで聞いたみたいな言葉だけで、私はふいって彼から顔(そむ)けた。  女子の先輩相手で何が悪いの!?  誰も応援しろとか喜べとか言わないし思ってもないんだからさ。人のことは放っといてよ!
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加