Tenderness

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「あら、鼻血? どうしたの?」  保健室についてすぐタオル外した私の顔見た、養護の先生の呑気な声。 「あ、バレーボールが当たって……」 「顔に当たったの? どれくらいの強さ? 痛みは?」  急に真剣な顔で次々訊いて来る先生にこっちが驚いた。  そっか、ただの鼻血ならともかく怪我とか心配なんだ。顔だしね。 「いえ、ホントにちょっとだけで。最初痛かったですけど、今はもう大丈夫です」 「うん、まあ大事無さそうね。少し休んでいきなさい。今日はもう競技はしない方がいいわ」  ベッドを指されたけどそれは遠慮した。 「いえ! 座って応援だけしますから、それでいいですよね?」  体調崩した人が来るかもしれないし、私はもう横になるほどじゃないもん。  なんとか先生に納得してもらって、先輩には「委員のシフトも外れて」って言われた。  ──それって誰かが穴埋めするんだよね? すみません……。
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