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「ねぇねぇ、教えてよ金平神様!そのモザイクって取れるの?取ったら何があるの?髪の毛?それとも金平糖のツノが沢山あるの?ねぇねぇ見せてよ!ねぇねぇいいじゃん!私と金平神様の仲じゃぁん!」
『黙れ。』
「あれかしら?モザイクってさぁ、エッチな本とかだとさぁ、恥ずかしい部分にモザイク掛けるじゃない?って事はさぁ、金平神様のソノ部分って恥ずかしい部分なの?じゃあさ、じゃあさ。私の恥ずかしい部分もチラッとだけ見せてあげるからさぁ、だから金平神様の恥ずかしい部分もチラッと見せて?ねぇ、いいじゃん、いいじゃん?」
私がそう言いながらチラッと巫女装束をはだけさせて見せると『美兎。お前……』と、呆れ顔だった金平神様の顔に苛立ちが色濃く見え始め。
それでもめげずに、更にしつこくモザイクを弄っていたら、金平神様の顔が見る見る赤くなりだして……
ユラッ……ゴゴゴゴゴゴゴ……
地面が揺れだした。
げ?地震!?
『オイ、美兎。お前、巫女の分際で失礼が過ぎるぞ。日本ごと海に沈めてやろうか?』
え、ちょ、え?え?
待って!待って待って!金平糖ごときに、こんな力が有るの?やだ、ちょっと、どうしよ!
ドンッ!!!
「きゃあ!!!」
激しく揺れだした地面が波打ち、立っていられなくなった私は必死に拝殿の柱にしがみつく。
震度5……いや、6?いや!もっとかも!!!
「ひぇぇええええ!!!」
社務所の窓ガラスがパリンと割れる。
しがみついている拝殿の柱にビシリと亀裂が入る。
そして、ドガァン!と、聞いたことの無い程の爆音がして、そちらを見ると、鳥居か崩れ落ちていた。
「いやぁぁあああ!!!!」
『消え去れい!!美兎!日本ごと海に沈んでしまえぇい!!!!』
「いやああぁああああ!!」
もう駄目!私が、私が、日本を世界地図から消しちゃうのねぇ!こんな事で歴史に名を残したくなかったわぁ!!日本の皆さん、ごめんなさいぃぃ!
あ、でもあれか。みんな沈んじゃうから私のせいだって誰にもわかんないか。
じゃあいいか。
いや!良くない!良くない良くない!
日本の皆さん!ごめんなさいぃぃぃ!!!!
ギュウと目を瞑り、目前に迫った死を覚悟したその時だった。
「金平神様!お待ち下さい!どうか、どうかこれを!どうか!どうかこれで!これで!お鎮まり下さいませぇ!!!」
揺れる地面の上を走破してきたお父様が、ズザァとスライディング土下座で金平神様の前に差し出したのは
金色に輝く太陽のような金平糖だった。
『ほう。金色。』
金平神様がそう呟いた途端、ピタと揺れが収まる。
「美兎!お前も早くひれ伏せ!!」
父親にそう怒鳴られた私は、慌てて涙と鼻水でグシャグシャになった顔を地面に擦りつけてひれ伏した。
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