火星少女

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今日から私は火星人になりたい 火星人ってなんだろう 誰も知らない 私の中の   火星人は灰色の肌を持っていて  目玉は大きくて 鋭い鉤爪と硬い鱗をもっている 天の川をスイスイ泳いでいけるんだ そして、地球の誰もしらない惑星に行って はんぺんとか蒟蒻に似ている カラフルな わけのわからない物質でできた 家に住みたい そして一人、暮らしたい 孤独に頬擦りしたい それから、流れ星じゃなくて まあるい地球を見てお願いごとをするんだ 皆が仲良くしてくれますように 一人、神様目線で 傲慢に祈るんだ 性格わるいでしょ でもいいの、火星人だから 火星人は性格が良いとか悪いとかは無いの 林檎と青林檎 ぐらいにしか見分けがつかないの だから大丈夫 今日から私は火星人になりたい 地球人が誰も分からない言葉で歌を歌うの 人魚姫みたいで素敵でしょ こういう奇妙な歌を歌っても怒られないもの 今日から私は馬鹿みたいな空想を現実に持ち込みたい そして、壊れてしまいたい そんなことを言って最後にまた、惰眠を貪るの 現実逃避はこれでおしまいってね 小さな死を繰り返して 何回も繰り返して私になるの 現実と妄想を繰り返して 強い私に生まれ変わりたい そしていつの日か立派な花を咲かせたいな
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