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2 異世界人との邂逅 修正
「すみませーん。大丈夫ですか?」
人影に、距離を詰めていくと、若竹のようにしなやかなで、無駄の少ない、体つきをしており、白いローブの様な服装からは、平均的な胸部の膨らみがあり、蠱惑的だ。
さらに近づくと、172cmの俺より3cmぐらい高い身長の持ち主である事が、分かり、その次に、俺の視界が、捉えたものは、背中にまで達していると思われる、ブロンドのロングヘア―。
顔に目をやると、一切の濁りが無く、紫水晶のような――いや、ウィスタリアカラーの、人を惹きつける妖しげな紫瞳。
全体的に、彫りの深い、美しい顔の女性だという事が分かった。
その、女性は、俺の声に反応すると、俺の方へ振り返る。ブロンドの長髪、そして純白のローブの袖が風でなびく。
そして、某有名ミントタブレットを、濃縮し、それに、ハスキーさを足して2で割ったような、涼やかな声で、俺に尋ねて来た。
「やあ、人間は、ほとんど居ないと思っていたけど、君、この世界の住人かい?」
「こんにちは。俺は、隣町に住んでました、灰生総司って言います」
「そうか。私の名前は、クリスチアーヌ。クリスと呼んでくれて構わない」
俺にとって、この女性との邂逅は、砂漠の真ん中で、飲み放題の自販機を見つけた気分だった。
だが、そんな気分は、容易に砕かれる。
「ところで、君は、なぜここにいるんだい。私は、とある男を追いかけてこの世界にやって来たんだ」
「――俺は、近くで、爆撃音を聞いて、地下室に隠れて……、買い物に、行った母を探しに……だが、もういいんだ」
そうだ。俺の母さんは、母さんは、この日隣町のスーパーに、買い物に行くと言った。
『行ってきます』『行ってらっしゃい』これが、最後の会話になるとは、思わなかったのだ。
そして、爆撃の後、俺の母さんは、いつものスーパーで、虹色の結晶と、化していた。
なぜ、それが母さんだと分かったのかは、近くに鞄が、落ちていたからだ。
「そうか、君の母さんは、メタルロウニックに、アニマラピスに変えられてしまったんだな」
この女、異世界からやって来たとか、言ってるし、メタルロウニック、アニマラピスって何?
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