3 この日の事は、忘れない。ゼッタイ 修正

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3 この日の事は、忘れない。ゼッタイ 修正

 「おや、灰生総司君。私の言っていることが、解らないって顔をしているね」 俺は、聞き馴染みのない言葉を、この金髪美女から、聞き、首を縦に二回振った。  当たり前だ。普通に生きていたら、このワードは、思いつかないし、そもそも、聞く機会も無いだろう。だが、一つの言葉に関しては、なんとなく察した。  「けれど、アニマラピスは、少し考えれば、流石に分かりますよ。虹色の結晶ですよね? 後、町に、自衛隊の服とか、母さんの持ち物が、落ちていたから、それで確信しました」  「察しが、いいね。灰生総司君。じゃあ、メタルロウニックについて、手短に話そうか」  「それって、俺達の日常を壊した、奴らの事ですか」  「奴ら? いいや、メタルロウニックは、一人の人間を指すんだよ」  「どういうことだ?」  嘘だ。人間一人で、市街地の建物のほとんどを、廃墟にし、その上、大量の人間達を、アニマラピスと呼ばれる結晶に変えてしまう事なんて、あれは、国家レベルだ。  だが、この、妖しいローブのお姉さんを、今は信じざるを、負えない。 なぜなら、俺が、家を出てから、最初に見かけた人間が、クリスチアーヌだからだ。  そして、クリスチアーヌは、俺の両肩に、両手を置き、真剣な表情で、『一度しか言わない、状況が状況だから』と言い説明を、始めたのである。 「メタルロウニックは、【ワールドクラッカーズネット】と言う組織に所属している、 機械目録・悪【エヴィルメカニカルサモンブック】の所持者だ。奴は、それを使って、邪悪な機械達を、呼び出し、人々を、アニマラピスに、変えた」  「――そうか。それで、メタ郎については、分かりました。じゃあ、クリスさん。貴方はどうして……」 俺が、メタルロウニックの事を略したのが、クリスチーヌは、相当ツボにはまったのか、手を口元に当て、吹き出しそうになるのを、こらえていたが、ダメだったようだ。  「メ・タ・郎……。ぷっ、あはははははははは!!!!!!」  クリスチーヌは、続けて手を叩き出す。 まさか、あの、ミステリアスな美女が、こんなことで、笑い出すとは、思わなかった。  本当に、意外だ、としか言いようがない。そうだな。この日の事は、忘れないでおこう。  「クリスさん。ちょっと! 答えてくださいよ」  俺は、クリスチアーヌに、冷静になるよう諭し、本題に戻した。 すると、クリスチアーヌは、軽く、上品な咳払いをし、いつもの調子に戻る。  「あー。分かったよ。私は、STMS(スタムス)。時空管理局の者だよ」 
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