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会社から帰宅して、風呂に入り、寝るまでの間の時間を楽しむ。 "早宮君、次も頼むよ―" "早宮さんって、何でもできますよね!私も、そんな風になりたいです!"   周りの人からの称賛は、とてもありがたい。 だけど― その期待に、応えるのが、時々、しんどくなる。 "期待しないで、って言っても、反感を買うだけだもんな…" 気にしないではいるが、上司や、同僚からの妬みの声があるのは事実だ。 "毎日、疲れるな…" それでも、仕事なのだから、生きていくためにはこなさなければいけない。 何か、励みになるものがあれば、頑張れるのだが―、 生憎、今は何の趣味もない。 趣味になるものといえば、週末に通うジムぐらいだが―。 考えていたとき、ふと、ある人の顔が思い浮かんだ。 "そうだ、中松さん…" いつも、仕事に熱心な、彼女の姿を見ると、自分も頑張ろう、と思う。 自分は、今こうして、ベッドに寝転びながら物思いにふけっているが、彼女は、寝る前に、どんなことをして、過ごしているのだろう。 聞いてみたいとは思うが、お互いのアカウントは仕事の関係上、登録し合っているが、話すほど親しくない。 "考えたって、キリがないか…" そう思った僕は、本格的に、寝る準備をする。 明日は、大切なプレゼンだ。 寝るのは、早いほど体に良い。   僕は、寝室の電気を消して、眠りについた―。
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