4/3 J庭51【サンプル】シロモモ〜禁断のショータイム〜

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 ミコトは呆れたようにため息をつくと、「どっちもどっちってことね」と道の先を歩き始めた。  シロは竹ざるを頭の上に乗せた。ずっしりと重たい。だが首の力がついたのか、昔に比べて重たい荷物を頭に乗せても軽々と持てるようになった。  自分だって大好きなモモにばかり頼り続けるつもりはない。今はモモよりも頭一つ分小さいけれど、いつかモモより背が高くなって、家計だってモモがストリップで働かなくても済むよう支えてあげたい――それがシロの目標だった。  でも。  ふと足下を見れば、先日降った雨のせいで水たまりができていた。足下の水面に自分の顔が映っている。常に下がりがちの眉にそばかすを散らした鼻まわりは自信がないように見え、白い肌とホワイトブルーのグラデーションがかかった色素の薄い短髪は、まるで雪に同化する本物のウサギみたいだ。おまけに腕も貧弱だし、ウサギ耳だってモモやミコトのように自在に操ることはできない。  ネガティブになりそうになる気持ちを、シロはイヤイヤと首を横に振って追い払った。とにかくモモを好きな気持ちだけは誰にも負けない。いや、負けたくない。  シロは「よし!」と自分を奮い立たせ、頭に乗せた竹ざるを両手で支えながら走り出した。
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