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真っ赤に燃える太陽は真上を照らし出し、全身をアザだらけの俺を打ちのめした。
まいった・・・
まいった・・・
ほんとうにまいった・・・
ちくしょう・・・片目が痛い・・・
あいつ・・・本当に俺の左目をぶっ潰しやがった・・・
俺は、この街の縄張り争いに負けた。
相手が一方的に強く、俺は敗北を余儀なくされた。
休みたい・・・休みたい・・・休んで、次の事を考えたい・・・
しかし、敗北者にはそんな事は我が儘だ。
休む場所・・・それは俺が死んでからだ。
敗北者には死あるのみ・・・
俺は歩く。死に場所を探して俺は歩く。
とぼ、とぼ、とぼ、とぼ、とぼ、とぼ、とぼ、とぼ、とぼ、とぼ、とぼ、とぼ、とぼ、とぼ。
腹へった・・・何か食いたい・・・
俺が最後に食ったのは何時の日なんだろうか・・・?
ぐるるる~~~~きゅるるる~~~
鳴るな!俺の腹の虫・・・
食いたい・・・食いたい・・・
いや、これから死に行く俺には食い物は必要じゃねぇかもしれない。
どっかで飢え死にするしかないんだ・・・
どっちみち、俺はここで死ぬ。
残るは骨だけ。
そもそも、俺の猫生は死出の旅。
生と死の狭間に生きてきた。
だから何時死んでも構わないように、俺は生きてきただけ。
俺は尚も歩く。死に場所を求めて・・・
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